神道の言葉であり「結び」の語源となった言葉です。おむすびは一粒一粒のお米が温かい手によって合わさり作られます。むすひとはその手の温もりのようなものです。それは愛と言っても良いでしょう。男女の縁が結ばれるのもむすひの力です。それは重力のようなものです。元素が重力によりさらに重い元素になるように新しいものが生まれる力です。生命や神、愛や光、素粒子同士が引かれ合う力のような、ものを産み出す目には見えない不思議な力をむすひというのです。
「産」という漢字は君が代の歌詞にある「苔(こけ)の産(む)すまで」のように「発生する」という意味や「造り出す」という意味があります。また「息子」「娘」も元々は「産す子」「産す女」です。
「靈」は「霊」の旧字体です。「たましい」「レイ」と読み、巫女が口を使い祈りを捧げ雨を降らせる様子を文字にしたものと解釈出来ます。神秘的な力のことであり、全ての物に宿る宇宙に満ち満ちた形の無いエネルギーのことです。E=mc^2ともとれます。「人」とは「靈止」、肉体に靈が止まったものです。我々には精神があります。精神もエネルギー、つまり靈です。
むすひにより種が水を吸い養分を吸い光を浴び野菜が育ちます。愛情を持って育てればその分応えてくれ、神性が宿ります。付喪神(つくもがみ)とはそういうものでしょう。野菜という物質のみを見るのではなく、目には見えない心の栄養を摂取して欲しいと考えてこの屋号を冠しました。